
気になるあの人の“MYスタンダード”Vol.22 稲沢朋子
MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“MYスタンダード”
Vol.22 稲沢朋子
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに、“マイスタンダード”について取材する連載。今月はモデルの稲沢朋子さんにお話を伺いました。

いなざわともこ●2011年、38歳で読者モデルとしてデビュー。2016年からは雑誌「STORY」のカバーモデルに大抜擢されて活躍。現在はファッション誌やイベント、女優業など多岐に渡って活動を続けている。今年7月、孫が誕生したことをインスタグラムで報告し話題となっている。

Vol.22
稲沢朋子さん (モデル)
38歳でモデルデビューし、雑誌のカバーモデルを務め上げるという奇跡のようなキャリアを持つ稲沢朋子さん。多くの人を笑顔にさせる屈託のないビッグスマイルは、50代に突入した今も健在。
「20代は育児中心の日々。カジュアル一辺倒だった私が、子どもたちの幼稚園や学校行事を通しておしゃれのTPOを意識するようになりました。今のように親子ファッションをとり上げる雑誌もなかったので、“今年は親子で黒を着てみよう”とか“アイテムをリンクさせよう”と、試行錯誤しながら好きなものを深堀していくことが楽しかったですね」
雑誌好きだった稲沢さんが、見る側から出る側に転身したのは子育てが一段落した頃。
「私服はハンサムなアイテムが多めですが、撮影では甘めの服やきれいな色をよく着ました。スタイリストさんがセレクトしてくれた私に似合うものと私服とのギャップが楽しかったですね。ときには撮影で着た服を一式購入したり、サンプルセールで爆買いしたりと、おしゃれの授業料はそれなりに支払いました(笑)。だからこそ私のスタンダードは、「自分にとって心地いいもの」だと気づけたのかもしれません。スタンダードがあることで、着こなしにも気持ちにも余裕が生まれて、おしゃれが楽しいと思えるんです」
TOMOKO’s
STANDARD
01
ジャケット
おしゃれを変えたジャケット。形は断然テーラード
「何を着たらいいか分からなかった幼稚園の集まりがある日、手に取ったのがジャケットでした。それ以来、何かある日はジャケットが頼りに。いろいろなタイプを持っていて更新していますが、基本はテーラード。身体にフィットして、袖を通すだけで背筋がシャンと伸び品格を感じる、何があっても頼れる1着は、心強い相棒ですね」

日本の美意識を大事にするデザイナーが仕立てるテーラードは、独特の透け感がある愛知県尾州で織られたオリジナル素材を使用。背抜きを繊細なレースに切り替えた別注品は、ハンサムなパンツスタイルにもフェミニンなワンピースにもサラッと羽織れる軽やかさにも注目。
KANAKO SAKAI 【SPURSHOP別注】シアーテーラードジャケット ¥86,900
TOMOKO’s
STANDARD
02
ジーンズ
トレンドと定番を穿き分けます
「スタンダードといえば真っ先に浮かぶジーンズ。数年前、断捨離をきっかけに気づいたのが、ジーンズには“世の中のブームを意識したもの”と“何年経っても色褪せないもの”が必要だということでした。前者はしばらく続いたバナナシルエットのマイブームから、この秋冬はストレートやちょいフレアが穿きたい気分に。それに対して後者は、育てるという言葉がぴったりのボーイズタイプ。どちらもなくてはならない存在です」

モデル、インフルエンサー、ジュエリーデザイナーと3つの顔を持つアマリー&セシリー・モースガー姉妹と、アッパーハイツがコラボした話題のデニム。程よい太さのワイドストレートにボタンフライや3色ステッチ、やや太めのベルトループが目をひくヴィンテージライクな仕上がり。
upper hights THE CECILIE ¥27,500
TOMOKO’s
STANDARD
03
白シャツ
秋冬こそ白シャツの出番!
「白シャツはベーシックなレギュラーカラーに限ります。そして大事にしているのが素材感。細番手のコットンやオックスフォード地が好きで、衿を立てたり、ボタンのはずし方で雰囲気を変えて楽しんでいます。春夏に1枚で着こなすのも好きですが、白シャツの魅力が生きると思うのは秋冬。カラーニットのインやインにタートルニットを重ねる着こなしが大好きで、それだけで顔まわりにレフ版を当てたように明るくなるところも魅力です」

上質なコットン生地を使いながら、デザインはシンプルでベーシック。そこにL.A.ブランドらしいリラックス感が加わった、着心地のよさと合わせやすさを兼ね備えた1枚。ゆったりめのサイズ感でこなれ感が出しやすく、稲沢さんおすすめの重ね着もさりげなく決まる。
Frank&Eileen FINBAR ¥42,900
TOMOKO’s
STANDARD
04
秋冬のワントーン
白、エクリュ、ベージュのワントーンに夢中
「秋冬に着る白が好きなのは、素材感が充実する季節だから。ふわふわのローゲージのニットやホワイトデニム、光沢のあるサテンのスカートやブラウスなど、重ねれば重ねるだけ着こなしに奥行きが出るところがおしゃれの醍醐味。今年はエアリーなモヘアや透け感のある素材を足して、ますます充実したワントーンコーデを楽しみたいです」

イタリアに別注した、南オーストラリア・ビクトリア州で精算されるエクストラファインベビーラムウールに、カシミヤをブレンドしたブランドオリジナル糸を編み上げたクルーネックニット。ふっくらとボリューム感があり保温性も耐久性も抜群。シンプルなデザインはヘビロテ確実。
SLOANE 5G ジーロンラム×カシミヤ クルーネック ¥46,200
TOMOKO’s
STANDARD
05
フレアスカート
抑えと動きのメリハリで穿くロング丈が理想
「ここ2.3年の体型変化で、ふんわり素材やギャザーのボリュームが苦手に。でもサテンのように素材自体にハリがあって、おなか回りはしっかり押さえられ、裾に行くほど動きが出るボリュームたっぷりのフレアシルエットが今の私の理想形。歩くたびに揺れる主役級スカートを、今期はショート丈のジャケットやコンパクトなニットで着こなしたい」

シワになりにくく、ハリと保温性をキープするダンボール素材のフレアスカート。腰回りは広がらず裾に向かって美しいシルエットを描くと評判で、きれいめからカジュアルまで1枚あると大活躍。色展開が豊富で、同素材のトップスとセットアップのおしゃれが楽しめる。
suadeo ダンボールフレアスカート ¥17,600
TOMOKO’s
STANDARD
06
レザーアイテム
着こなしに1点投入してハンサムに
「昔から、可愛いよりカッコいい着こなし好き。だからなのかレザーのアイテムも欠かせません。例えば、Iラインスカートやライダースジャケットなどは、スタンダード中のスタンダード。色でいえば黒がメインでしたが、今季は少し趣を変えてブラウンのベストを購入。ハード過ぎないレザーの着こなしをもっと研究したいですね」

今季もトレンドセッターを担う、大人に嬉しい膝丈Aラインのハーフパンツ。リアルな型押しとワッシャー技術を施した艶やかなイタリアンフェイクレザーは、こなれたヴィンテージ感たっぷりで着こなしを格上げ。ウエストの後ろを伸縮性のリブに切り替えた履き心地のよさにも注目。
COGTHEBIGSMOKE MAYA CULOTTES ¥31,900
TOMOKO’s
STANDARD
07
ソックス&ローファーな足もと
おしゃれと冷え対策の一石二鳥
「手首や足首を冷やさないように、と昔から聞いていた通り、50歳を過ぎてその言葉が腑に落ちて以来、靴とソックスの合わせを意識するように。薄手ソックス×ヒールはよくやりますが、今はリブソックス×ローファー。少しゴツめだけど女性らしいすっきりしたシルエットのローファーには、リブ編みのソックスを。ソックスの白と黒はマストですが、パンツやロング丈スカートからチラッと見える赤もお気に入りです」

かかとの上のロゴ刺繍がアクセントになったコットンリブソックス。白、黒、赤の3色パックなら、スニーカーからローファー、メリージェーンとさまざまな靴で+ソックスのおしゃれが楽しめる。特に発色のいい赤は、秋冬コーデのスパイスカラーにぴったり。
Oblada 【洗える】PACK SOCKS ¥6,930

トゥの程よい厚みと、ソール周りのボリューム感、ビブラムソールの凹凸のバランスが、今どきの存在感を放つローファー。深みのあるブラウンは、定番色の黒に比べてクラシックになりすぎず、コーディネートにフィット。女性が履くことで華奢な雰囲気を醸し出せるのもポイント。
PIPPICHIC HAILEY LOAFERS 3 ¥59,400
COLUMN
孫の誕生で無心になれる編み物を再開

今年の7月、可愛いおばあさまになった稲沢さん。
「娘に男の子が誕生しました。当初は嬉しくて舞い上がっていましたが(笑)、少し落ち着くと孫のために何ができるかを考えるように。そのときに浮かんだのが昔、母から教わった編み物で、さっそく始めることに。お金を出せば可愛いものが買える時代ですが、手編みのニットは、世界で一つのもの。何を作ろうかと考える時間も、作業している間も、手渡すときも、身につけてもらえた瞬間も、すべてが楽しくて。初めて作ったのは、イニシャルを入れたニットのスタイ。2作目は、冬に向けてニット帽を編もうと計画中です。
孫は噂どおり無条件で可愛いのですね。それと同時に、娘の成長と孫の育児を通して私と娘の関係性も変わりました。ここからが本当の意味での親離れ、子離れで、私たち親子は次のステージに立ったのだと思うようにもなりました。これからは瞬間、瞬間をしっかり楽しんでいきたいと思います」
取材・文/向井真樹











































