
気になるあの人の“MYスタンダード”Vol.16 樋口かほり
MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“MYスタンダード”
Vol.16 樋口かほり
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに自身の“スタンダード”について取材する連載。今月はスタイリストの樋口かほりさんにお話を伺いました。

樋口かほりさん/スタイリスト
ひぐちかおり●ファッション誌をメインに、広告やブランドカタログなどを多数手がける人気スタイリスト。カジュアルと女性らしさとの絶妙なさじ加減を、着こなしの技でさらりとまとめるスタイリングで人気。KIND所属。

Vol.16
樋口かほりさん (スタイリスト)
Tシャツやデニムに代表されるスタンダードアイテムを主役にした、自身の審美眼から生み出される女性らしい小ワザの効いたスタイリングが人気の樋口さん。
「両親が美容師だったので、メイクボックスを広げる母の姿や和装の着付けの様子を間近で見て育ちました。一番古いおしゃれの記憶は、“この服にはこの靴を合わせたい!”という子どもなりのこだわりを持っていて、いま思い返すとそのほとんどが黒コーデだったこと(笑)。そして昔からおしゃれな街を行きかう人たちの着こなしを見るのが大好きで、今でも素敵な人に出会うとつい目で追ってしまいます。
スタンダードとは、年齢を重ねてもずっと好きでいられて、飽きることなく着続けられること。私にとってのスタンダードアイテムは、めちゃくちゃベーシック。これさえ軸にあれば新しいおしゃれにトライするときでも自分らしく装えるし、気持ちも落ち着くんです。仕事柄、たくさんの新鮮なコーディネートを提案するために、自分はシンプルでいたいんです。それは部屋がきちんと整っていると頭がクリアになって、新しいアイデアが閃くのにちょっと似ているかもしれません。これからも長い付き合いになるスタンダード。おばあちゃんになったら、大好きなTシャツとデニムにきれい色のバッグを持って華のあるおしゃれを楽しみたいですね」
KAORI’s
STANDARD
01
デニム
ファッションの軸にいつもあるもの
「トレンドが反映されやすいデニムですが、私のスタンダードはリーバイスのヴィンテージデニム。ハイウエストのストレートが好きで、1週間のうちかなりの確率で履いています。どこかレトロに感じることもありますが、会えばすぐ昔のように戻れる幼馴染のような存在かな。濃い色、薄い色、少し擦れていたりクラッシュがあったり…。どれも愛おしくて頼れる相棒です」


腰位置が高く、脚が長く見えると評判の名品デニムは、ウエストまわりをすっきりさせたハイライズで、脚が長く見えると大評判。履くだけでフィット感が得られ、ひざ下から程よく広がるシルエットで今どき感のあるバランスが手に入る。絶妙な色合いと生地の柔らかさが、春夏のデニムスタイルをアップデートしてくれる。
upper hights THE NIECE ¥27,500
KAORI’s
STANDARD
02
ピンク
ほんのりした甘さと女らしさをON
「デニムと同じように私のスタンダードの軸にある色、ピンク。アイテムはいろいろですが、私が好きなのは、優しげなベビーピンクとフューシャやネオンなどの派手ピンク。いつもメンズっぽい着こなしが多いので、例えば全身ブラックコーデのときにグレーのスウェットではなくてベビーピンクにするとか。ほんのひと匙の女らしさが、気分も上げてくれるんです」


人気のスウェットに新しく加わった別注色のベビーピンク。ゆったりしたサイズ感とともに、樋口さんお得意のカジュアルスタイルにぴったり。大人がきれいめにも着こなせる、古着のように見えるクタッとした加工感にグレーのロゴがおしゃれで、着込むほどに味わいが増すのもいいところ。
REMI RELIEF 【HPS別注】ダブルSP加工裏毛クルー(SHIT) ¥20,680
KAORI’s
STANDARD
03
ジャケット
カジュアルスタイルの引き締め役に
「Tシャツやデニム、チノパンツなど、私の着こなしはカジュアルがメイン。でも上質なジャケットさえあれば、打ち合わせなどの席でも気後れすることなくきちんと見せられるんです。私の理想はオーバーサイズのテーラード。タキシードジャケットやチェックなど、やっぱりメンズライクなものに惹かれます」


ハンドメイドによる本格的なテーラード仕上げのダブルブレストジャケット。ドレスアップからカジュアルまでスタイリングの幅が広いのも魅力。プリンス・オブ・ウェールズという由緒正しい柄名の英国製生地をゆったりとしたサイズ感に仕立てた、着心地抜群の一着。
COUTURE D’ADAM 【HPS別注】POW Blazer JK Double ¥75,900
KAORI’s
STANDARD
04
花柄
ヴィンテージっぽい花柄に惹かれます
「甘い花柄というより、古着屋さんに積まれたサーマルTシャツで見かけるような、ちょっぴりレトロでヴィンテージライクな花柄が好きです。いつものデニムも花柄のTシャツやジャケットを合わせるだけで、着こなしも気分もリフレッシュできるんです」


ブランドのオリジナルプリントは、抽象的でいて印象に残る水彩画タッチの花柄。光沢とドレープ性のある落ち感のきれいなワイドパンツが着こなしのエッジになって、さまざまな無地トップスとのコーディネートが楽しめる。
SACRA フラワープリントパンツ ¥39,600
KAORI’s
STANDARD
05
きれい色のバッグ
かっちり型の小さめか、シンプルで大きいか
「パステルカラーやきれい色のバッグが好きです。服で取り入れるよりも簡単に可愛いポイントになるところも魅力です。大きさはちょっと小さめか大きいかの二択。小さいものはカッチリしたコンサバなデザインがいいし、大きめはバケツ型なども。デザインが効きすぎず、チャーミングな色が際立つものを選びます」


オランダ・アムステルダム発のブランドのアイコンバッグ“ホルテンシア”にミニサイズが登場。丸みのあるモダンで女性らしいフォルムと、斜め掛けにもなる2WAY仕様は普段使いに最適。ニュアンスのあるグリーンがコーデのポイントに。
WANDLER Hortensia Bag Mini ¥157,300
KAORI’s
STANDARD
06
タンクトップ
きれいな開きをヘルシーに
「タンクトップは胸もとの開き具合を気にしがちですが、私は背中を必ずチェックします。背中は詰まっているより、深めなU字に開いているのが好み。フロントと背中が同じくらい開いているのが理想です。最近増えてきたアメリカンスリーブ調のカッティングもいいですね。タンクトップ自体はメンズのアイテムだから、デニムやマキシスカートと合わせてヘルシーに着るように心がけています」


首から脇にかけてのきれいなカッティングが目を引くアメリカンスリーブタンク。肩には2つのフックボタンがついているので着脱もしやすく、フィット感の微調整も可能。オールシーズン着回しできるコットン100%で、白と黒が揃う。
JUN MIKAMI アメリカンスリーブタンクトップ ¥17,600
KAORI’s
STANDARD
07
ペールトーンのフラットシューズ
デニムの足もとはコレ
「仕事でたくさん歩くし、子どもと過ごす時間も多いので形は断然フラット。ポインテットトゥに代表される華奢なシルエットが好きです。足もとにボリュームがあるより、ボトムスから流れるように見える方がスタイルアップするところも気に入っています。案外合わせやすいですし、これからの季節はサンダルも加わってますます楽しくなります」
KAORI’s
STANDARD
08
チノパン
太めのストレートをゆるっと、クタッと
「チノパンツにもさまざまなタイプがありますが、私が愛してやまないのは古着店で出会ったメンズのチノパンツ。太めのストレートだからシルエットはゆるくて、履き続けていることでクタッといい感じに育ちました。古着が大好きなので、ヴィンテージTシャツやタンクトップでカジュアルに着こなしたいですね」


自分らしさを最大限に引き出してくれるデニムを提案するジャパンブランドが作るチノパンツ。程よくハリがある綿×ポリエステルのワイドシルエットは、脚のラインを拾いにくく、軽い履き心地が人気。カジュアルにもきれいめにも。
NEEDBY heritage 【HPS別注】MASION CHINO PANTS ¥18,700
KAORI’s
STANDARD
09
シートマスク
朝晩2回の”ながらマスク”始めました
「年齢を重ねるほど大事になる清潔感。美容にうとい私も、さすがに何かしなくては…と思い立って始めたのが、シートマスクでのお手入れ。朝は朝食の用意をしながら、夜は子どもより一足早くお風呂から出てパックしながらお着替えを手伝います。何かをしながらだから継続できています(笑)」


セレブが足しげく通うエステティックサロンのオリジナル保湿マスク。皮膚の凹凸やシワの溝にも隙間なく密着し、角質層の奥までじっくりと植物幹細胞やプラセンタなどのエキスを浸透させることができると評判。冬場の乾燥時や夏場に紫外線を浴びた後をはじめ、普段のお手入れにも。5枚入り。
Melissa Beaute メリッサボーテ フェイスケアマスク ¥5,775
COLUMN
いつでも子どもを感じていられるチャーム

「4歳になるマイメンは、車に夢中でミニカーを集めています。最近では、車を見ただけで難しい車種も言えてしまうまでに。日々増えていくミニカーは、子ども部屋に木製のラックを入れて見せる収納を楽しんでいます。息子と主人が夢中なミニカー集めに当初は興味がなかったのですが、ズラッと並んだ光景を見ていると“車って案外かわいい”と思えてきて。そんなある日、“ママ、これあげる”と手渡してくれたのが、黄色のワーゲンでした。かわいけどどうしよう…と思っていたとき、閃いたのがチャームとしてバッグに付けることでした。トライしてみたら、これが可愛くて!!私のファッションにもしっくりくるし、子どもをずっと感じていられることが嬉しくて。仕事が忙しくて子どもとの時間が思うように取れないときも、これを見ると頑張れちゃうんです」
撮影/有馬秀星(モデル) 取材・文/向井真樹
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