気になるあの人の“MYスタンダード”Vol.14 辻直子
MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“MYスタンダード”
Vol.14 辻直子
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに、“マイスタンダード”について取材する連載。新年のスタートは、スタイリストの辻 直子さんにお話を伺いました。
つじなおこ●数多くの女性誌で活躍するトップスタイリスト。俳優やタレントからの信頼も厚く、CMや広告の分野でも指名多数。またファッションブランドのディレクションを務める傍ら、自らの着こなしを発信するSNSが大人気
Vol.14
辻直子さん (スタイリスト)
着る人を包み込む空気感までも意識した “辻フェミニン”と称されるスタイリング。その世界観が多くの女性から熱く支持されている辻直子さんは、スタンダードや定番と呼ばれる存在が、かえって多くの人に安心感を植え付けてしまっているのでは!? と言います。
「自分にとってのスタンダードは、そう簡単に見つかるものではないと思うんです。おしゃれは自分が楽しんで満足できればいいものなのに、“人にどう思われるか”という意識が外に向きすぎて、いちばん大切にしたい“着てみたい”という気持ちを閉じ込めていませんか。でもそれはとってももったいないこと。スタンダードや定番はみんなバラバラでいいと思うし、自分は“何が好きで、どうありたいか”を最優先してほしいですね。私にとってのスタンダードは、 自分の“絶対”を作ってくれるもの。これに袖を通せば“絶対に素敵になれる”とか“絶対に似合う”という、私のいいところを強調してくれる誉め言葉を紡いでくれるべきものだと思っています。私は子どもの頃からミニスカートが大好き。パンツを履かされると泣く子でした(笑)。以来、トレンドなんて一切関係なし。流行していないときでも何かしら1枚はミニスカートを買い足してきたし、今日までずっと履き続けてきました。おしゃれの基準は自分自身。だから自分の武器になるスタンダードを丁寧に探してほしいですね」
NAOKO’s
STANDARD
01
ミニ丈ボトム
“好き”を貫いて“らしさ”を醸すマストアイテム
「私がミニを手に取る理由は、皆さんがデニムを選ぶ感覚と近いように思います。自分の身体をキレイに魅せるいいものを見極めることが肝心で、私はタイトや台形、程よいAラインが好み。とにかくブレずに履き続けてきたことが“似合う”への近道だと思うし、サラッと着るようにしています。そしてこの先、自分から手放すまでは思う存分、楽しんで行きたいと思っています」
大人が自信を持って履きこなすことができる台形フォルムに幅広プリーツを配したミニスカート。腰回りのボリュームを抑えた揺れるプリーツは甘すぎず、今どき感のある華やかコーデが完成する。ウエストはブランドロゴをプリントしたゴム仕様で、トップスインしたときのポイントに。
GANNI Light Twill Pleated Mini Skirt ¥37,400
NAOKO’s
STANDARD
02
ピッタピタ
私らしさを引き出す“オノマトペ”
「身体のラインに合うということでもいいし、トップスだけでもボトムだけでもいいんです。でもそのサイズ感は“ピチピチ”というのとはちょっとズレがあるかもしれませんね。フィットとかタイトではなくて、“ピッタピタ”という表現が一番しっくりくるんです。どこも余らないというか(笑)。アイテムとしてはニットやカットソー、そしてワンピースも好きです」
タンクトップがセットになったシアートップスは、身体をきれいにすっきりと見せるディテールが満載。ピタッとくしゅっと大人が着やすいアイテム。コットン100%の優しい着心地もポイント。
suadeo シアートップスインナータンクセット ¥16,500
NAOKO’s
STANDARD
03
デコルテがきれいに見えるトップス
潔いカッティングが体型をきれいに見せる
「私好みの胸もとのカッティングは、開いているか詰まっているかの二択。中途半端が苦手なのは、すごく似合わないからなのです。開いているならみぞおちが見えるくらい潔く。デコルテがきれいに見えるトップスやワンピースは私にとって“スタイルがいいね”と誉めていただけるバランスなのだと思います」
横に広く開いたネックラインがヘルシーなオフショルダースウェット。1枚で着用しても、キャミやタンクトップとレイヤードしてもサマになる。ゆったりしたシルエットのショート丈は、旬のバランスが作りやすく手持ちのボトムとも相性抜群。背中のステッチや袖口の刺繍ロゴもポイントに。
upper hights CROPPED SWEAT ¥16,500
NAOKO’s
STANDARD
04
オーバーなシャツ
時代が出るシャツは大きなサイズを選ぶ須
「シャツが好きです。今までいろいろなシャツを着てきましたが、ここ数年大きめなサイズ感。私自身のスタンダードが、ボディコンシャスな服やヒールなどフェミニンに見えるものなので、シャツは大きめなものを選びます。ミニスカートやタイトのワンピースに、ビッグシャツをふわっとはおったバランスがお気に入りです」
ほんのり透けるシアー感にドット柄を散りばめたブラックシャツ。セルロース製のオーガンジー素材は柔らかくて肌にも心地よく、ハンサムにもフェミニンにも着こなせる。ドット柄の刺繍はボウタイがモチーフ。辻さんのように胸もとを開けて、リラックスムードを楽しんで。
TICCA 【HPS別注】ドットエンブロイダリーシャツ ¥31,900
NAOKO’s
STANDARD
05
デニム
似合うデニムを一生探し続けたい
「ジーンズもジージャンもたくさん持っています。デニムには選び方や着こなしがいろいろあるところが面白くて。同じようでいて着る人が違うと全然違って見える、そういうところが好きです。私のスタンダードは、ジャストウエストかハイウエストのストレート。カーヴィーなシルエットや気持ちフレアなブーツカットなどもよく履いています」
辻さんが理想とする、股上が深く余計なゆるさのない女らしいストレートシルエット。ステッチやフリンジのない切りっぱなしの裾への落ち感が美しく、ジャストサイズもよし、1サイズ大きめをメンズっぽいムードで履いても素敵。濃すぎず薄すぎないこだわりのブラックカラーにも注目。
辻 直子×upper hights 【Marisol別注】THE COUSIN ブラックデニム ¥28,600
NAOKO’s
STANDARD
06
ハイヒール
“好き”に理由はいらない
「どうして好きなのかきちんと説明できないくらい、とにかくハイヒールが好き。20歳くらいから今まで、アシスタント時代もずっと履き続けてきました。惚れ惚れする美しさを身につけていることで気持ちも高揚します。アーモンドトゥやラウンドトゥも好きですが、今の気分はポインテッドトゥ。そして季節を問わず、ハイヒールは素足で。その方が美しいと思っています」
“女性をどう美しく見せるか”を追及し続けるジャンヴィトロッシ。大胆でフェミニンなヒールでありながら、その履き心地にもこだわった“走れるパンプス”の代名詞的な1足。カーヴィーなサイドラインと甲のVカットが、360°どこから見ても上品で優美な足もとを演出してくれる。
Gianvito Rossi ポインテッドトゥパンプス(スエード) ¥105,600
NAOKO’s
STANDARD
07
ゴールドのアクセサリー
こうありたいと思う女性像に近づくピース
「基本はゴールド派で、近頃はピアスを控え、イヤカフを楽しんでいます。アクセサリーにはいろいろな種類がありますが、ボリュームのあるネックレスは好きなアイテムのひとつ。着こなしが決まったら、いいなと思うアクセサリーを一旦つけて鏡を見ながら取捨選択。“これはミスマッチ”とか “こういう人、好きじゃないな”など、そぎ落とす作業はとても感覚的なものなんです」
NAOKO’s
STANDARD
08
赤いリップ
母の習慣と憧れを重ね合わせて
「子どもの頃から、母が口紅を塗る姿を見てきました。朝はもちろん、食後や出かける前などにはきれいに塗りなおす、そこも女性らしくていいな、とずっと憧れていました。なかでもポイントになる赤い口紅は特別なもの。髪には余分な手を加えない私としては、口紅くらいきちんと塗りたいと思っているんですよ」
唇の色と調和する透け感と美しい発色をキープするリップスティック。12種類の保湿成分が唇の乾燥を防ぎながら潤いを長時間キープ。真っ赤に熟したトマトをイメージしたピュアレッドは、なりたい女性のイメージに寄り添う色。厚塗りにならず、内側から湧き上がる紅潮感を演出。
UNMIX リップスティック ¥3,960
NAOKO’s
STANDARD
09
ボウタイブラウス
モダンに着こなすボウタイが好き
「クラシカルでフェミニンな印象の強いボウタイブラウスですが、モダンに着こなせる1枚があるとおしゃれの幅がぐんと広がると思うんです。ハリのある素材や甘さが前に出すぎないディテールなら、理想的な着こなしができるんです。」
比翼仕立てとコンパクトな襟に、ボウタイでニュアンスを楽しむデザインが新鮮。ストレッチを効かせたハリのある素材は着やすくてシワになりにくいうえ、ラフに立てた襟や結んだボウタイがきれいに決まる。ボリュームのある袖と長めに設定したカフスが女らしいこなれ感を演出。
M7day 【辻 直子さんコラボ】ボウタイシャツ ¥19,800
COLUMN
見知らぬ土地で自分を再発見できる旅に夢中です
「これまでその時、その瞬間に自分が心惹かれる場所へ旅してきました。旅の魅力はいろいろあるけれど、いつでも自分がすべてのなかの一部だと再確認できるところに惹かれます。多種多様どころか人の数だけのスタンダードを知ることができるし、見ず知らずの人とたくさん話をすることでエネルギーをもらえるのもたまらなく好き。印象的だった街はアリゾナやユタ、マラケッシュ。圧倒的な自然にただただ魅了されました。いつか訪れたいのはカリブ海に浮かぶ島々。夢は広がるばかりです」
取材・文/向井真樹
ARCHIVE
Recommended contents