気になるあの人の“スタンダード”Vol.12 安藤優子
MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“スタンダード”
Vol.12 安藤優子
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに、“マイスタンダード”について取材する連載。今月はスペシャルゲストとして、安藤優子さんにお話を伺いました。
あんどうゆうこ●アメリカのハイスクールに留学し、帰国後、上智大学に進学。在学中のアルバイト先で流暢な英語での会話が目に留まりスカウトされて、報道番組「BIG NEWS SHOW いま世界は」(テレビ朝日)にレギュラー出演。以降、「TVスクープ」や「ニュースステーション」などでリポーター、キャスターを務める。現在は多数のメディア出演、講演活動に加え、椙山女学園大学の客員教授として教鞭をとる。洗練された私服コーデをはじめ、こだわりが詰まった著書「アンドーの今もずっと好きなもの。」(宝島社)も注目を集めている。
Vol.12
安藤優子さん (キャスター/ジャーナリスト)
安藤さんと言えば数々の番組でメインキャスターを務め、世界中を取材で飛び回り、要人への単独インタビューなどで大活躍する働く女性のトップランナー的存在。颯爽とスーツを着こなす姿が印象的でしたが近頃、自身のインスタグラムに投稿される小粋な私服スタイルが素敵!と評判を呼んでいる。
「子どもの頃からおしゃれが大好きでしたが、可愛らしいものがなぜか苦手で甘さを抑えたトラッド系の服を好む女の子でした。自分が着てみたいと思う服のスタイル画を描いて楽しんでいた小学5年生の頃、絵と同じ水色のボックスワンピースを母に作ってもらったのが嬉しい思い出。その頃から今日まで、好きなものはずっと変わりません。でも服好きゆえ、初めてテレビ出演した大学生の頃から“好きなものは譲れない”という想いと、“好きだけで着てはならない”という自制心の狭間で、情報を伝えるのにふさわしい姿を模索し続けました。そこで行きついたひとつの答えが、海外取材で出会った人たちの自分に似合う服を自信を持って着る姿勢。以来、インタビュー相手に失礼のない品格と、視聴者の方に感じていただきたい信頼感に直結する清潔感を意識したスタイルに落ち着き、その装いが多くの自信を授けてくれました。今では仕事柄、服装の規制もそこまでありませんから選択肢は広がりましたが、年齢を重ねた今こそより清潔感を大切にしたいと思うように。そしてがんばり過ぎずない、少し力の抜けた小粋な雰囲気が着こなしに加わると成熟した大人の魅力が引き出されると感じています。着ることはまさにアイデンティティなのです!
YUKO’s
STANDARD
01
ジャケット
肩のラインと程よくシェイプされたシルエットに着目
「仕事で何千着とジャケットを着ていた私の選び方の決め手は、肩のラインが古臭くならないこと。肩幅が大きすぎると服に着られているように見えるし、小さいとシワの原因になって美しく着こなせません。四季を問わずに素材を変えて着用しますが、コンサバになり過ぎないようあえてデニムやワンピースなどに羽織ってハズした着こなしを意識します」
ジャケットの中でも安藤さんが愛してやまない「大人の紺ブレ」。やや細身シルエットと長めの着丈・袖丈、金ボタンが醸し出す洗練された雰囲気は、一生もののジャケットと呼べそう。深みのあるネイビーの裏地は赤というセンスにも心躍る。マニッシュにもエレガントにも着こなしも自在。
MADISONBLUE BLEECKER W6B BLAZER ¥105,600
YUKO’s
STANDARD
02
Tシャツ
首回りがピタッと収まることが一番の条件
「夏なら1枚で、冬ならニットのインナーにほぼ毎日着ているTシャツ。大切なポイントは、首回りがぴったりしている丸首であること。そしてサイズ感はジャストサイズの基本Tと、やや大きめのカジュアル系のどちらも揃えています。色は白、黒、ネイビーにダークグレーがほとんど。半袖以外に七分袖や長袖も愛用中。ニットの首もとから白いTシャツがチラッとのぞく、そんな着こなしも今の季節のお気に入りです」
安藤さんも愛用しているという「スローン」。ベーシックなTシャツこそ、信頼のブランドから選びたいという人にも大人気。その理由は、超長綿の上品な光沢感と程よい生地の厚み、豊富なサイズに加え、計算された首回りのフィット感や裾出しが決まる丈感など大人に優しい魅力が詰まっていること。
SLOANE コットンTシャツ ¥9,680
YUKO’s
STANDARD
03
Iラインスカート
縦長のIラインは大人にいいこと尽くめ
「スカートを履くときは、Iラインのタイトスカートで辛口な着こなしを意識します。スニーカーなどぺたんこ靴を履きたいときにマキシ丈やミディ丈を選ぶことも多く、同系色のトップスでより縦線を強調したり、ゆったりニットをバランスよく着ることを楽しんでいます。若い頃はタイトスカートといえばヒールでしたが、体に負担のないフラットシューズやスニーカーを履きたいとき、Iラインのスカートならむしろこなれた雰囲気になるのも発見でした」
ウエストの2タックがポイントのスケーターパンツをイメージして作ったブランドを代表するワイドパンツ。ハイウエストでヒップに程よくボリュームがあり、太もも周りをゆったり仕上げることで下半身がすっきりきれいに。上質な素材感が着こなしを格上!
suadeo フェザーシフォンIラインスカート ¥17,600
YUKO’s
STANDARD
04
クルーネックニット
こだわりは上質な素材とつまり気味のネックライン
「ウールやカシミヤなどのハイゲージニットが定番です。首まわりはTシャツ同様、少しつまり気味のクルーネックタイプ。ネイビーの何気ないクルーネックニットにデニムは私の鉄板コーディネートで、この先もずっと着続けていきたい組み合わせ。冬に着る白やエクリュのニットは贅沢な気持ちになりますし、ネイビーや黒はつい手が伸びる定番色の代表。そこにグリーンや赤やイエローなどのきれい色が加わることで着こなしの幅も広がります」
極上の柔らかさと暖かさが特徴のモンゴル産カシミヤをブレンドした、オランダ発のニットブランドのラウンドネックニット。ボディラインを拾わないサイズ感と、トレンドに左右されないクセのないベーシックなデザインがどんなスタイルにも合わせやすいと人気。袖口の飾り刺繍にも注目。
extremecashmere sweaters ¥66,000
YUKO’s
STANDARD
05
デニム
トレンドに敏感になってその都度アップデート
「トレンドに左右されるのは好きではありませんが、デニムだけはどうしても時代感が出てしまうので常に更新するように心がけています。ピタピタも太いのも流行っていた時代には履いてきましたが、今では“少し細いストレート”か“少し太めのストレート”を選ぶことが多くなりました。好きなブランドは、アッパーハイツやレッドカード。ジャストサイズか1サイズ大きめをその時の気分で使い分けています」
ブランドを代表する「ニース」は、ウエスト周りをすっきりさせ、腰位置を高めに設定したハイライズ仕様。ひざ下から自然と広がるシルエットは、脚長効果と同時に今っぽいこなれた着こなしが手に入ると根強い人気。ハピプラストアの別注色を含む豊富なカラーバリエーションも必見。
upper hights THE NIECE ¥27,500
YUKO’s
STANDARD
06
大判ストール
ドラマティックなアクセント付けに欠かせません
「さりげないアレンジができる大判のストールが好きです。車移動が多いのでコート未満のアウター替わりにもなりますし、ときには装いをドラマティックに仕上げてくれます。素材はカシミヤやウール、オーガンジーにシルクなど、肌に触れて心地よいと感じる天然素材。無地のものが多くなりますが、これからはチェック柄にも手が伸びる季節ですね」
メイドインジャパンの大判ストールは、シルクリネンならではの上品なツヤ感と軽いつけ心地。ボリュームがあるのでさり気なく巻くだけサマになり、着こなしを格上げ。エアリーな素材感とニュアンスたっぷりのカラーは、季節を選ばず活躍する。オリジナルポーチ付きで持ち歩きにも便利。
DRESS HERSELF ストール/リネンシルク ¥11,000
YUKO’s
STANDARD
07
バングル
手もとを彩るバングル×時計の重ねづけ
「毎日時計をするので、時計の種類に合わせてバングルをコーディネートしています。シャツやニットの袖口をキュッとたくし上げたとき手もとに視線を集める重ねづけが、シンプルな装いをクラスアップしてくれるんです。地金の素材はいろいろですが、華奢なものよりガツンと効くデザインが好きですね。スキンジュエリーのようなバングルのつけ方にも憧れます」
ゆったりと流れるような曲線を描くカフバングル。1点つけるだけでシルバー925のクールな輝きが印象的な手もとを演出。有機的なフォルムは、細いバングルやチェーンタイプとの重ねづけもおすすめ。
JAMIRAY WAVY SILVER BANGLE ¥27,500
YUKO’s
STANDARD
08
日常使いする器
ひとつひとつにストーリーのある器を普段使い
「伯母や母から譲り受けた大皿や大鉢、京都まで足を運んでひとつずつ買い集めた和食器、仕事やプライベートで訪れた海外で手に入れた民芸的な器など、我が家には思い出が詰まった器がいくつもあります。それらをお招きの席にも日々の食卓にも使うのが私流。例えば、ジノリの白い大皿をプレースメントにしてベトナムやタイの器をのせてみると、意外な取り合わせにハッとしたり(笑)。時代も種類も気にせず、ミックスして使うのが楽しくて」
福岡県朝倉郡東峰村にある小石原の窯元と、フードコーディネーター長尾智子さんのコラボレーションから誕生した新しい民芸の器。「料理をおいしくする器」をコンセプトに、普段使いしたくなる温かみのある風合いの器がそろう。朝食、パスタ、夕食のメインなど、料理を選ばずに幅広く使える直径23cmのプレート。
小石原ポタリー 毎日プレート ¥4,180
COLUMN
社会学の博士号を持ち、社会政治学の分野でも研究を重ねてきた安藤さんは、名古屋の女子大で週一で教鞭を取っている。
「これから社会に出ていく後輩たちに、女性としてキャリアを積むなかでの振る舞いや私自身が乗り越えてきたことを伝えたいという想いが形になりました。ロールモデルがいなかった私が悪戦苦闘してきた根底には、女性の生きづらさというものがあって、それはどこから来てどこへ向かうのかをずっと考えてきました。と同時に、誰もがなりたい自分になれる社会であってほしいというメッセージを伝えることが、私にとって大切なことのひとつでした。毎日、講義録を作ったり生徒からのコメントカードを読み込んだり、次の講義の準備をしたりと頭の中が揉みしだかれている感じですが、とてもやりがいを感じています」
取材・文/向井真樹
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