気になるあの人の“スタンダード”Vol.6 坪田あさみ
MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“スタンダード”
Vol.6 坪田あさみ
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに、“マイスタンダード”について取材する連載。第6回目は、エディター&ライターの坪田あさみさんにお話を伺いました。
つぼたあさみ●フリーランスの編集、ライターとして雑誌や広告、web媒体などのファッションテーマを中心に多くの企画立案や執筆を手がける。近ごろはアパレルブランドとのコラボレーションなど、仕事の幅を広げている。Marisolにて「おしゃれと暮らしと時々名品」を連載中。著書に、おしゃれ迷子のバイブル「大人のおしゃれはこなれがすべて」(PARCO出版)がある
Vol.6
坪田あさみさん
インスタグラムで服選びやこなれ見せのコツを紹介する“EVERY DAY OUTFIT”が、“今日、何着よう”と悩む大人に好評の坪田さん。「かれこれ25年以上ファッションを生業にしてきて思うのは、変わることを恐れず、理想に向けて変わり続けていくことが大事だということ。大人はファッションに限らず、“私はコレ”という強い思い込みに囚われすぎると“昔の人”に留まってしまうと思うから。ベーシックで上質な服を長く愛用するのも素敵だけど、私は同じものを着続けるタイプではないんです(笑)。体型もお肌の状態や髪の色も刻々と変わって行くので、それに合わせて今の自分が一番良い状態でいられるもの、似合うものがマイスタンダードだと考えます」。
常に最新のファッションに触れ、発信する坪田さんだからこそ、服の持つパワーを信じていると言います。
「仕立ての良いスーツを着ると、立ち振る舞いまでジェントルマンになるというたとえ話があります。身につける服や小物、ジュエリーはその人自身に影響を与えるし、自分を変えるきっかけになります。だから私は“なりたい自分に似合う服”を少しずつ先に揃えて、“そろそろ私、行ける?”というタイミングに敏感でいるよう心がけています。買い物をするときは、それがのどから手が出るほど欲しいかと自分に問いかけたり(笑)。“10枚の服を買う代わりに、次の自分に向けた1枚に投資する”。これも私のスタンダードの考え方。ダイアン・キートンのようなメンズライクなアイテムが似合うかっこいい女性が私の最終目標です」
ASAMIʼs
STANDARD
01
ジャケット
ダイアン・キートンのように着こなしたい
「メンズっぽく、ゆったりと着られるシャツが好きです。クローゼットには、肌に心地よいコットン素材の白、黒、ライトブルー、ダークブルーのシャツがたくさんあります。これからの季節、シャツと同じ感覚で袖をギュギュっとたくし上げて着られるジャケットは必需品。1枚あることでコーディネートが単調にならず、カジュアルを回避できるんです。映画“アニーホール”のダイアン・キートンのように、ちょっとおじさんっぽく着こなしたいですね。ジャケットだからと気負わずに着られる1着をいつも探しています」
坪田さんの理想を形にしたような、シャツ感覚ではおれる一重仕立てのテーラードジャケット。オーセンティックなデザインでゆったりとしたサイジングはシャツ合わせのきちんと感も、Tシャツ合わせのリラックスコーデもお手のもの。ホームクリーニングできるのもうれしい魅力。
THE SHINZONE CHRYSLER JACKET ¥39,600
ASAMIʼs
STANDARD
02
ブルーのシャツ
こなれ感とブルーの微差にこだわる
「Tシャツもタンクトップも着るけれど、シャツのカジュアル過ぎないさじ加減が好きです。ゆるっとしたサイズ感が好みで、生地はやや厚め。そして裾をボトムにインしたり、袖をロールアップしたときに立体感が作れるものを選びます。白はどうしてもコンサバに見えてしまうので私はブルー派。サックスからインディゴ、ストライプと周りから見たら同じじゃない?と言われるくらい、ブルーの微差にはこだわります」
ほんのり甘くてハンサムなバンドカラーシャツ。爽やかなブルーと高密度コットンの上品な光沢とハリで大人っぽい仕上がりに。袖口にタックを寄せ、背中にボックスプリーツを取ることで、ふわっとはおるように着用できます。サラッとした肌触りで、はおりや冷房対策にも活躍させて。
MACKINTOSH バンドカラーシャツ ¥42,900
ASAMIʼs
STANDARD
03
Iラインスカート
自分らしい辛口コーデの核に
「断然パンツ派の私がスカートに望むのは、“パンツ感覚”で履けること。だからふんわりより、シュッとした丈長シルエットを選びます。ボトム選びで大事なのは、靴とのバランスが取りやすいかどうか。その点、Iラインのものなら愛用しているバレエシューズもローファーもスニーカーも合わせやすいですね。辛口コーデが好きですが、ときにはちょっと可愛げなトップスも着たくなります。そんな時もIラインスカートなら自分スタイルに落とし込めるんです」
ラメのテープヤーンを表情豊かに仕上げたニットスカート。トップスとボトムだけの簡単コーデもスカートの存在感で辛口の仕上がりに。顔から離れたボトムだからこそグリッターも取り入れやすく、伸縮性に富んだ素材は肌触りもドライでストレスなし。Tシャツ姿を確実に格上げします。
NOUNLESS GLITTER TAPE YARN KNIT SKIRT¥33,000
ASAMIʼs
STANDARD
04
ワイドパンツ
パンツはワイドしか履きません!
「クローゼットの中は太めパンツばかり。細パンツのトレンドが来たら困りますね(笑)。その魅力は、ワイドはもちろんカーヴィーな太めシルエットは体型カバーができるうえ、寒い時期でも下にスパッツを仕込めるのもポイント。フラットシューズ派としてはボリュームのある靴、たとえばブーツやスニーカーとのバランスが良好なのもうれしいですね。基本は定番カラーですが、グリーンなどパンチのある色もパンツで取り入れています」
ちょいモードな着こなしにもおすすめの超ワイドなチノパンツ。前と後ろにタックを入れた立体的なデザインが、おなかやヒップの丸みをきれいにカバーして、すっきりした落ち感が叶います。高級感のあるツヤありコットン素材は、季節を問わず愛用できます。深みのあるカーキカラーも◎。
SACRA 前後タック入りパンツ ¥39,600
ASAMIʼs
STANDARD
05
アイウエア
コーディネートの仕上げにめがねかサングラスを
「忘れると取りに帰るほど、私の着こなしになくてはならないのがめがね。めがねもサングラスも、私にとってはコーディネートの引き締め役。フレームの形も素材も色もたくさん揃えていて、クセの強いデザインもいいアクセントになってくれるんです。デニムの日はネイビーのサングラス、グレージュのニュアンスワントーンの日はグレーというように、服に合わせてフレームやレンズの色を選んでいます」
日本のアイウエアブランドの人気モデル、ウエリントン型サングラス。フレーム上辺のポイントをやや外側にデザインしたヘーゼルカラーセルが柔らかな印象を与えてくれます。世界的に名高いメガネの産地、福井県鯖江市の熟練した職人が制作しています。
BLANC.. B0025-PCサングラス(別注レンズカラー対応) ¥35,200
ASAMIʼs
STANDARD
06
小さめバッグ
2個持ち前提の“ちょっと小さめ”
「大きなレザーバッグは持つのが辛く、体のバランスも悪くなるという健康志向から近頃は小さめバッグを愛用中。エコバッグなどと一緒に持つと割り切ったことで、A4サイズが入らなきゃとか、ポケットのありなしなど実用面にこだわらなくてよいのでチョイスの幅が広がりました。小さいから軽量だし、色やデザインに遊びがあるものを選べるのが何より楽しいですね」
立体的なフォルムが目を引く三日月型のミニバッグ。入れ口はダブルファスナー仕様で荷物の出し入れがしやすく、携帯やポーチ、お財布などもしっかり収納できます。ハンドルの長さは両脇の金具で調節可。チャーミングな形が着こなしのアクセント役にもぴったり。
OSOI TONI MINI ¥42,900
COLUMN
人生を楽しむために運動始めました
「運動経験ゼロだった私が、40代後半からちょっとした不調を感じ、ピラティス、ヨガ、ウォーキング、そして軽い筋トレを始めました。健康でいることは、大好きなファッションとヘアメイク、そして仕事をめいっぱい楽しむために必要不可欠なこと。どれが欠けても人生を楽しめないので、一生続けていけそうことを習慣化できるようにがんばっています。忙しさを理由に後回しにしないで、一番のプライオリティにして行こうと思います」
取材・文/向井真樹