気になるあの人の“MYスタンダード”Vol.8 亀恭子
MYスタイルを作る最愛アイテムについて聞きました!
気になるあの人の
“MYスタンダード”
Vol.8 亀恭子
おしゃれにスタイルがあり、自分に似合うものを知っているファッションのプロたちに、“マイスタンダード”について取材する連載。第8回目は、スタイリストの亀 恭子さんにお話を伺いました。
Stylist 亀 恭子さん(スタイリスト)
かめ きょうこ●ファッション誌やテレビなどで数多くのモデルや俳優のスタイリングを手がける。トークショーやテレビ、広告出演をはじめ、ブランドとのコラボレーションで“欲しい”を形にする商品開発など幅広く活躍中。
Vol.8
亀恭子さん (スタイリスト)
短大を卒業後、約3年間の航空会社勤務を経てスタイリストに転身した亀さん。そのきっかけは、雑誌CanCamの巻末に付いていたアンケートでした。
「多くの人が面倒だなと思う質問にもまじめにぎっしりと書き込んだものが編集者の目に留まり、声をかけていただきました。当時は服飾の勉強をし、何年間かアシスタントをしてスタイリストになるのが王道でしたが、“女子大生や社会人を経験してきた亀ちゃんが発信するファッションはリアルで読者に刺さるから!”と口説かれ(笑)、育てていただきました。アンケートには“シンプルなアイテムをベースに小物で少し華やかに”とか、“トレンドを1点投入して”などと書いていたみたい。5歳上の姉の影響を受け、その時代時代のファッションをミーハー的に楽しんできましたが、私のスタンダードの軸はここが出発点だと改めて感じています」。
好きなアイテムは昔も今も大きく変わらない亀さんですが、仕事の顔と3人のお子さんのママの顔を1日に何度も使い分けることでおしゃれにも変化が。
「派手な色や柄物より、黒、白、ネイビーなどのベーシックカラーを選ばざるを得ないところから始まり、今はその魅力を再認識してもう一度愛でているところ。私、顔がちょっと古臭いんです(笑)。いわゆるコンサバ顔だから、大事にしたいのは”抜け感”や”こなれ感”。そういう意味で私にとってのおしゃれミューズは、今も昔もケイト・モス。彼女の“シンプルなジャケットにタンクトップで足もとは女っぽいヒール”というバランスが私のスタンダードに近しくて、着飾っていないのにカッコいい自分を表現するのが永遠の目標です」
KYOKO’s
STANDARD
01
テーラードジャケット
シャツ感覚で着られるボクシーなシルエットを
「タキシードのようなハンサムなタイプも持っていますが、ちょっとボクシーなシルエットの方がここ最近は合わせやすくて。カットソーとデニムの組み合わせは永遠に好きなコーディネートですが、この夏はショートパンツにサラッとはおるのがお気に入り。ボクシーなジャケットにミニボトムのバランスが、大人になった今だからこそヘルシーに着られる気がして。自宅で洗えてシャツのように気軽にはおれるジャケットは必需品です」
亀さんのジャケット愛を惜しみなく注いだテーラード仕様のシャツジャケットは、ハリのある薄手コットンを用い、共布ベルトがついたやや丈長テーラード。インナーなしでも着られ、そのままはもちろん、ウエストマークしたりタックパンツにインしたりと、まさにシャツ感覚で着回せる。
THIRD MAGAZINE 【亀恭子さんコラボ】シャツジャケット ¥36,300
KYOKO‘s
STANDARD
02
白Tシャツ
白だからこそ今の私らしさが投影できる
「白の無地Tシャツしか着ません! と言いたいところですが、たまにはハズシ役としてロゴ入りも着たくなるんです(笑)。でもベースは断然白。黒もときどき買いますが、結局袖を通さずじまいで。素材に程よい厚みがあって、目が詰まっていてしなやかで、ほんのりツヤのある、そうニット感覚で着られるTシャツを選んでいます。ゆったりとしたサイズ感も人気ですが、Tシャツの中に少しだけ余白があるサイズ感が好み。ワイドパンツで着ることが多く、顔回りにジュエリーを足したり、ヌーディなサンダルを合わせて女らしさをプラスします」
ジワジワと人気上昇中のタイトフィットのシンプルTシャツ。開きすぎず詰まりすぎないネックラインはこだわりのリブ仕様。おへそが隠れるちょうどいい着丈だから大人がトライしやすく、ワイドパンツやフレアスカートなどボリュームのあるボトム合わせも◎。MとLの2サイズ展開。
INSCRIRE Fraise Tight Fit tee ¥12,100
KYOKO‘s
STANDARD
03
オールインワン
シーンをまたいで通用するきちんと感とリラックス感
「今のライフスタイルに一番フィットしているのが、落ち感のある素材でサラッと着られるオールインワン。お仕事シーンなどできちんと感が欲しいときは軽めのジャケットを着用、子どものお迎えにもきれい見えしつつ動きやすいのでもう手放せなくて。張り切っておしゃれしました感がないのにこなれて見えるところもいいんです。私が好きなのは、クルーネックのノースリーブでストンとしたシルエット。合わせる小物で印象が変わるところも着ていて楽しいんです」
AラインTシャツと腰回りにゆとりを持たせたテーパードパンツをドッキングさせたジャンプスーツ。ウエストの後ろをセパレートさせることで、動きやすく涼しい着心地に。吸水速乾性に富み、シワになりにくい使用済みペットボトルのリサイクル素材を使用したサスティナブルな1着。
COGTHEBIGSMOKE FRANKIE JUMPSUIT ¥36,300
KYOKO‘s
STANDARD
04
ドラマティックスカート
ちょっと気分を上げたい日に!
「昔からふんわりボリュームのあるドラマティックなスカートが好きで複数枚持っています。夏はチュール素材やドットの刺繍入りなど、軽量で見た目にも涼やかで手仕事などがアクセントになった、ちょっとひねりの効いたものを良く着ています。重ね着してテクニックで魅せる季節ではないので、パッと見て華やかなものが重宝するんです。ヴィンテージTシャツやアメリカンスリーブのカットソーでシンプルに着るのが今の気分」
上質なコットンをたっぷり使ったふんわりとしたボリューム感が魅力のティアードスカート。新色のミントブルーは、夏の差し色にぴったりな爽やかカラー。シンプルなTシャツコーデが着映える存在感のあるロング丈と、ウエストゴムのラクちんな着心地で初秋まで活躍します。
MARIHA 草原の虹のスカート ¥35,200
KYOKO‘s
STANDARD
05
イヤーカフ
まとめ髪が増える夏こそピアス+イヤーカフを重ね付け
「夏はネックレスより耳もとの重ね付けを楽しむことが多いですね。その場合、ピアスは両耳にひとつずつ、一粒ダイヤなどのシンプルなものにイヤーカフで華やかさを補います。組み合わせにはルールというほどのものはありませんが、華奢な地金にパールやダイヤを散りばめたデザインを重ねることが多いですね。イヤーカフこそ、ディテールが決め手です」
地球をイメージしたという柔らかなラウンドフォルムと視線を集めるボリューム感が耳もとを華やかに。シンプルなデザインなので手持ちのピアスともコーディネートしやすく、シルバーの涼しげな輝きがこれからの季節にピッタリ。ゴールドやパールピアスとの重ねづけもおすすめ。
MARIHA Mystic Orbs イヤーカフ SILVER ¥26,400
KYOKO‘s
STANDARD
06
バングル&リング
夏の手もとは細めのバングルと印象的なリングがあれば
「半袖やノースリーブを着ると何となく手もとに盛りたくなります(笑)。太めのバングルが好きな時代もありましたが、近頃はチェーンとプレーンなど細めのデザインを重ねることが増えました。そのときのリングはインパクトがあるモチーフとか、デザインはシンプルでもぽってりとした存在感があるなど、その日の着こなしで決定することが多いかな。ゴールドにホワイトゴールドというように、気分で素材をミックスします」
シンプルでなめらかな曲線は、カラハリ砂漠に描かれた砂の文様がモチーフ。ミニマルなデザインですが、Tシャツやロールアップした手もとに地金だけのバングルがあるだけで上質なニュアンスが加わり、夏コーデを格上げ。軽量なので1日中付けるスキンジュエリーとしてもおすすめです。
Hirotaka バングル ¥39,600
自然が生み出す美しい模様を形にした、上のバングルと同シリーズのリング。重ね付けしたように見える2本のリングのうちの1本は一部がスクエアなデザインになっていて、計算された抜け感が特徴。ひとつだけでも存在感抜群で、手もとに洗練された印象を与えます。
Hirotaka Sand Dune Layered Ring ¥33,000
KYOKO‘s
STANDARD
07
ワンアクションサンダル
計算されたしゃれ感が伝わるペタサンに夢中
「夏の足もとは、ワンアクションでサッと履けるペタンコサンダル一択です。こだわりは、適当に履いてきたんじゃない感(笑)。オールインワンやドラマティックスカートなど、私のスタンダードアイテムの足もとに欠かせません。この夏はやや厚底タイプから、リカバリーサンダルなどのヘルシーなものなどバリエーションが豊富なのも嬉しいですよね。ベーシックカラーもいいけれど、夏ならではのきれい色も素敵。私は今季、クリーミーなグリーンやイエローに注目しています」
夏の日差しに映えるシャイニーカラーのペタサンは、熟練した職人が手作業で作り上げるイタリアメイド。履き込むほどに味わいが増し、クッション入りのソールと足あたりの良いアッパーレザーの履き心地はクセになるほど。ボトムのデザインや色を選ばず、足もとにポイントを作ります。
MAURO de BARI 【HPS別注】ギャザーフラットサンダル ¥27,500
COLUMN
自然に身を置くことで心身共にデトックス
取材が行われた日曜日も、朝から伊豆に飛び魚すくいに出かけていた亀さん。夏休みには小笠原への旅を計画中だそう。「時間が取れたら海や山へ出かけるようになりました。子ども達にいろいろな体験をさせたいという想いがきっかけでしたが、私自身のデトックスにもなっているんです。以前はそういう発想がなくて時間があれば都会へ旅行したり、買い物などで気持ちを紛らわせていました(笑)。私も子どもたちも東京にいると何かと忙しい。そんなときにポーンと自然の中に身を置くと、またがんばろうという気持ちになれるんです」
取材・文/向井真樹